東京の病床使用率５６％・重症者用は６８％…首都圏で医療ひっ迫「新規受け入れ難しい」

　新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、週内にも緊急事態宣言が再発令される見通しとなった東京都と埼玉、千葉、神奈川の３県では、医療提供体制の 逼迫（ひっぱく） が続いている。

　内閣官房の資料によると、昨年１２月２７日時点で、感染ピーク時に確保を想定する病床に対する使用率は、東京で５６・５％。重症者用では６８・６％とさらに高い。いずれも、感染状況が最も深刻な「ステージ４」（５０％以上）の水準だ。政府の対策分科会は、ステージ４を「緊急事態宣言を検討する段階」としている。

　埼玉の全病床に対する使用率も５２・１％で、ステージ４に該当。千葉や神奈川では、感染経路が分からない人の割合がステージ４の水準に達している。

　松本哲哉・国際医療福祉大教授（感染症学）は「全体の病床数は準備中のものも含まれ、東京などで新型コロナを診る病院の多くは、ほぼ満床だ。新規患者の受け入れは非常に難しい。今回の緊急事態宣言の検討は飲食店の営業制限が中心のようだが、感染者を減らす効果を高める内容にすることが求められる」と指摘する。

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