障害者や難病の人が自宅にいながら「分身ロボ」で接客…就労機会拡大へ自治体が試み

　重い障害や難病で外出が困難な人が、自宅で遠隔操作する分身ロボットを通じて接客などの仕事に従事する試みが、各地の自治体で行われている。就労機会の拡大を図るとともに、障害者らが社会とつながる可能性を広げる取り組みとして期待されている。（長原和磨）

　「ここには格好いい雑貨や、おいしいお菓子があります」「お菓子は、クッキーなど約１００種類を準備しています」

　障害者施設で作られた雑貨やお菓子などを販売する福岡市中央区の「ときめきショップ」で８月上旬、陳列棚に設置された高さ２３センチの人型ロボット「ＯｒｉＨｉｍｅ（オリヒメ）」が、手を上げたり首を動かしたりしながら、女性客に商品の説明をしていた。

　この日、オリヒメを自宅から遠隔操作していたのは、福岡県飯塚市の 須尭（すぎょう） 雅弘さん（２２）。筋力が衰える難病「筋ジストロフィー」を患っており、電動車いすで生活している。「日常生活では、こちらから『ありがとう』と言うことが多いだけに、働くことを通じて、人に感謝されることがうれしい。やりがいを感じる」と話す。

陳列棚で商品の説明をする分身ロボットの「オリヒメ」

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