［スキャナー］奥能登、医療復旧見えず…４公立病院　看護師退職２倍、病床３６％に縮小

　元日の能登半島地震から３か月。甚大な被害が出た石川県奥能登２市２町の４公立病院は、入院患者の大半を県南部などに転院させ、運用病床数を従来の４割未満に縮小している。看護師も計約６０人が３月末までに退職した。元の体制に戻る見通しが立たない中、地震をきっかけに、病院統合も含め、地域医療の将来像を見直す議論が加速する可能性もある。（医療部　東礼奈、加納昭彦）

退職した垣内さん（奥）と、引き継ぎの確認をする上野総看護師長。「心苦しい」と話す垣内さんに、「そんなふうに思わなくていい」と声をかけた（３月２１日、珠洲市総合病院で）

　「介護が必要な親を抱え、遠方に２次避難するしかなかった。３０年以上勤めた病院を離れるのは心苦しいのですが……」

　 珠洲（すず） 市総合病院を２月に退職した看護師の垣内真由美さん（５５）

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