［医療ルネサンス］群大手術死　１０年の歩み＜１＞母の医療事故　癒えぬ「傷」

再発防止の「誓いの碑」除幕式では遺族や職員の献花も行われた（２０２０年６月、前橋市の群馬大病院で）

　群馬県内在住の女性（５８）は、今も群馬大病院（前橋市）での出来事を思い出すと激しい 動悸（どうき） に襲われる。２０１１年、７０歳代だった母は、同病院で肝臓を切除する 腹腔（ふくくう） 鏡手術を受けた後、死亡した。「病院も前と変わっているから悪く言ってはいけないのかもしれないけど、自分の中ではどうしても嫌という気持ちになってしまう」とうつむく。

　同病院の旧第二外科では腹腔鏡手術を受けた８人と、開腹手術を受けた１０人が０９～１４年に相次いで死亡した。女性の母親も、このときに亡くなった一人だ。

　１４年、本紙の報道で手術死問題が明らかになった。発覚後に行われた第三者による医療事故調査委員会の調査で、様々な問題点が指摘された。

　手術を担当した医

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