［医療ルネサンス］動物のちから＜１＞入院中の子どもを癒やす

　東京都内の中学１年生、 楓（かえで） さん（１２）は２０２２年２月、小児がんの治療のため、国立成育医療研究センター（東京）に入院した。

　しばらく前から原因不明の腹痛が続き、発熱も伴うように。都内の大学病院を受診すると、がんの可能性を指摘され、同センターを紹介された。手術で一時は病状が回復したが、数か月後に再発が判明し、６月に抗がん剤治療が始まった。

　楓さんには、これがつらかった。当時、小学５年生で、授業は入院中もオンラインで受けられたが、抗がん剤の投薬中は具合が悪く、上の空に。救いは１頭の犬の存在だった。２１年から同センターで入院中の子どもたちの支援を始めたラブラドール・レトリーバーのマサ（雄、５歳）だ。

マサのおやつを入れる包み紙をベッド上でつくる楓さんと、それを見つめるマサ（国立成育医療研究センターで）＝シャイン・オン・キッズ提供

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