がん疑いの情報共有されず、１年以上治療遅れる…仙台市立病院「早期に治療すれば手術避けられた可能性」

　仙台市立病院は２６日、市内の９０歳代女性が大腸がんの疑いがあったにもかかわらず、医師の間で情報が共有されず、治療が１年以上も遅れたと発表した。

　発表によると、女性は２０２３年１月、コンピューター断層撮影（ＣＴ）検査を受け、放射線科の医師が大腸がんの疑いを電子報告書で指摘したが、消化器内科の医師は十二指腸からの出血の処置に追われるなどして報告書を確認せずに退院させた。

　女性は昨年４月、腸 閉塞（へいそく） が見つかり、人工肛門の造設手術を受けた。病院は早期に治療すれば手術は避けられた可能性が高いと判断。女性と家族に謝罪し、今月１２日に示談が成立した。

　２６日に市役所で記者会見した渡辺徹雄院長は「患者とご家族に深くおわび申し上げる。報告確認チームを作り、機器のシステム改修も行って今後このようなことが起こらないようにしたい」と話した。

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