高熱の３歳男児救急搬送されず重い障害、市の第三者委「救急隊に過失なし」…対応に一部不備も指摘

　茨城県つくば市で２０２３年、高熱を出した当時３歳の男児が救急搬送されなかった事案で、市は２６日、「救急隊には搬送義務があったとは言えず、過失はなかった」とする第三者委員会（関健太郎委員長）の検証結果を公表した。一方で、第三者委は救急隊の対応には一部不備があったとして、改善の必要性も指摘している。（嶋村英里）

不搬送問題の検証結果を説明する関委員長（２６日、つくば市で）

　第三者委の報告書などによると、男児は２３年４月１６日未明、４０度超の熱を出し震えもあり、家族が１１９番した。到着した救急隊は、緊急性は低く、搬送は不要と判断した。

　救急車が引き揚げた後、家族が自家用車で男児を連れて病院に向かったが、男児は到着した病院で呼びかけに反応しなくなるなどし、集中治療室（ＩＣＵ）に約２週間入った。「けいれん重積型急性脳症」と診断され、重度の知的障害が残ったという。

　救急隊の活動に過失があったのか検証するため、市は弁護士２人と医師１人からなる第三者委を設置。昨年３月から１年間、救急隊の記録を確認し、家族への聞き取りも行ってきた。

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