がん治療の高齢者支援　老年腫瘍学会が発足

　がんになる患者の半数近くを７５歳以上が占める中、高齢でがんになった時に直面する問題への対応を考えようと、医療者でつくる日本老年腫瘍学会が４月１日に発足した。代表理事に水谷友紀・杏林大腫瘍内科学講師と、小川朝生・国立がん研究センター東病院精神腫瘍科長が共同で就いた。

　がん診療で一つの目安となるのが、健康寿命と重なる「７５歳」という年齢だ。最善とされる標準治療は、７５歳を過ぎる頃から、負担が重すぎることもある。心身が衰えるフレイルの進行や治療後の生活を考え、適切な治療法を選ぶ必要が出てくる。一方、認知機能の低下により意思の確認が困難になったり、退院後も「老老介護」で生活支援が必要になったりと、医療現場が抱える苦悩は深い。

　水谷氏は「高齢者により良いがん診療を提供するため、看護師、薬剤師、栄養士、リハビリテーション専門職、医療ソーシャルワーカーらとの協働に力を入れる」と意欲を示す。

　小川氏は「治療の効果と心身への負担を考え、日常生活を守る視点も重要だ。高齢のがん患者を地域で支えるため、必要な情報を社会に発信し、共有していきた

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