菅内閣発足２か月　社会保障　安全網構築を…駒村康平氏

こまむら・こうへい　慶応大経済学部教授、社会保障審議会委員。専門は社会保障論。著書に「中間層消滅」など。５６歳

　菅内閣は１６日で発足から２か月を迎える。首相が目指す社会保障改革の道筋は、どこまで見えてきたのか。駒村康平・慶応大教授に聞いた。

　所信表明演説では、国民が「自分でできることは、まず、自分でやってみる」ことを求めた。自助努力は、もちろんとても大切だ。とはいえ、近年は社会の格差が拡大し、親の貧困が子に連鎖するなど、最初から不利な立場の人も目立つ。

　保険料を納めて支え合う年金、医療、介護保険などの「共助」、税でまかなう生活保護などの「公助」をしっかりと機能させ、安全網を構築する必要がある。首相は自らの社会保障観について、もっと丁寧に説明してほしい。

　前政権から引き継いだ全世代型社会保障検討会議で、菅首相は少子化対策の三つの課題を設定した。不妊治療への保険適用、待機児童の解消、男性の育児休業取得の促進で、いずれも妥当だと思う。オンライン診療の恒久化などに取り組む考えも示しており、こうした政策にも反対する人は少ないだろう。

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