［つながる］第１部　地域ではぐくむ＜３＞なじみない土地での育児　子育て仲間で支えあう取り組み広がる

　子育てをする際、身近に知り合いがいないと親たちの負担が増え、孤立してしまう恐れもあります。子育て仲間が声をかけあい、お互いに助け合う取り組みを実施する地域が広がりつつあります。

　「最近、歯が生えました」「お兄ちゃんとけんかしてばっかりです」――。

　島根県 大田（おおだ） 市の大森町地区にある寺の境内。暖かな日差しを浴びながら、乳幼児を連れた母親たちの近況報告が始まった。「おめでとう！　何でもかめるね」「強く育っているね」と優しい笑顔の輪が広がる。

　「森のどんぐりくらぶ」は住民約４００人の同地区で、約３０家庭の子育て中の親たちがつながる育児サークルだ。離乳食を始める時期の話題になったり、飛行機に乗せる時のコツを披露したり、やりとりが続く。

　２００７年に世界遺産に登録された 石見（いわみ） 銀山の地元は、高齢化と、子どもの減少が進む地域だった。でも、１０年代になると、古い町並みでの暮らしや自然にひかれて都会から移住してくる人や、かつて市外に転出した人のＵターンが目立ち始めた。

　新しい土地では気の合う子育て仲間を

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