高齢者施設を「入ってからが新しい人生のスタート」の場にしたい…若き支配人が描くケアのカタチ

介護現場でアートやＶＲ技術の活用に挑戦する…田山隆之さん（３４）

　横浜市の高齢者施設で支配人をしています。「利用者のやりたいをかなえる」が目標です。今は、アートやＶＲ（仮想現実）の技術を介護現場だけでなく、地域でも生かそうと模索を続けています。

　大学時代に授業の一環で、カンボジアにある孤児やストリートチルドレンの支援団体を訪ねました。不安を抱える子どもをサポートした経験から、「人の役に立つのは楽しい」と福祉分野を目指すようになりました。

　卒業後、介護付き老人ホームで働きました。半年ほどたって、インフルエンザにかかった利用者の対応をしたことがありました。防護服を着て、緊張感を持って対応しました。このとき、ケアの仕事に対して、「誰でもできるものではない」と特別なものを感じるようになりました。

　それ以来、介護に前向きに取り組みたいと、目標を立てるようになりました。食が細い時にどうやったら食べてもらえるのか。うまくおむつを当てるにはどうすればいいのか。一つひとつは小さい目標ですが、うまくいくと思わずガッツポーズしてしまいます。

　新型コロナウイルスの感染拡大で外出や面会禁止が続いた時は、利用者から「つま

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