働く「ケアリーバー」を支える「職親」とは？…就職３年目に６割が離職しているとする報告も

３年目で６割　頼れる人なく

勤め先の会社で作業をするケアリーバーの女性（右）と、職親の松下さん

　児童養護施設などで育ち、その後に自立した子どもたちはケアリーバーと呼ばれる。頼れる大人がいない自立後の生活で心身の不調をきたし、学業を断念したり、離職したりする人も少なくない。こうした不安定な生活を送るケアリーバーを、企業や自治体が就労面などで支える取り組みが広がっている。（平井翔子）

　「私はどうせ施設育ちやし、まともな人生なんて過ごせへん」

　投げやりになりがちな女性（２１）の言葉を受け止め続けてきたのは、兵庫県明石市の人材派遣会社「メタルテック」社長、松下真由実さん（６２）だ。女性の雇用主であり、生活面で支えている「 職親（しょくおや） 」でもある。

　女性は、両親の離婚で４歳から児童養護施設で暮らし始めた。１８歳の時、児童福祉法で定められた「原則」に従い施設を離れた。

　自立後、専門学校に進学したが、新型コロナウイルス禍で生活のリズムが乱れてしまった。友人との交流も減り、寂しさは募ったが「自立

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