厚底シューズから箱根駅伝に新たなドラマが生まれるか

第１００回箱根駅伝予選会で（２３年１０月）

　箱根駅伝は第１００回大会を迎え、全国の大学からの参加を受け入れて予選会が行われたことでも注目されましたが、私が整形外科として注目しているのは、ランナーのシューズのことです。かつては薄く軽いのがランニングシューズの定番でしたが、今や出場選手のほぼ全員が厚底シューズを履いているということで、市民ランナーにも広がっています。靴底が厚いシューズはタイムが伸びる一方で、ケガが増えるというデータもあり、整形外科医としては気になるところです。

　２０１８年９月にベルリンでエリウド・キプチョゲ選手がマラソン世界最高記録を出した時に履いていたのが厚底シューズ。マラソンでおなじみの設楽裕太選手や大迫傑選手が日本新記録を出した時も厚底シューズを履いていました。このため箱根駅伝でも毎年シェアを伸ばしながら、２０２１年にはほぼ全員に行き渡ったようです。

　厚底シューズはエネルギーコストを４％減少するという研究報告があります（参考文献１）。一方で、当初は、選手が故障するため、慎重に導入する必要があるという話題がありました。

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