花粉少ないスギ、宮崎で生育進む…３０年後「花粉発生の半減」目標も植え替えに課題

　「国民病」とも言われる花粉症について昨年、政府が抜本的な対策を決定してから初めての本格的な花粉症シーズンが間近に迫っている。政府は、花粉が少ないスギ人工林の面積を増やし、３０年後には花粉発生量を半減させることなどを目指しており、一大産地の宮崎県などで生育が進む。研究機関では無花粉の品種開発の模索も続く。一方、林業従事者は減少しており、植え替えの促進には課題もある。（今泉遼）

伐採されたスギの切り株（左奥）の近くで、花粉が少ないスギの幼木の生育状況を確認する児湯広域森林組合の近藤さん（１月２２日、宮崎県西都市で）

　「順調に育っています」。スギ素材（丸太）の生産量が約１８８万立方メートル（２０２２年）と、日本一の宮崎県。１月下旬、西都市の山林で、 児湯（こゆ） 広域森林組合森林整備課の近藤貴洋課長（４０）らがスギの幼木の生育状況を確認していた。このスギは花粉を飛ばす雄花をほとんど付けない品種だ。約１年前、成長したスギが切られた後の０・９５ヘクタールの山林に所有者からの依頼を受け、組合職員らが１９００本を植えた。

　県と県森林組合連合会、住宅メーカー「タマホーム」（東京）は

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