「要介護３」の８０歳代女性　同居していた一人息子が病気で急死　誰が支える？… 身寄りがない高齢者への支援のニーズ高まる

　家族など頼れる人が身近におらず、暮らしに困る高齢者が増えている。入院や治療、介護施設への入所、葬儀や遺品整理の手配といった様々な場面で、一人では難しい手続きや選択を求められるためだ。現状と支援の動きを２回に分けて報告する。（小沼聖実、石井千絵）

頼れる家族がいなくなった女性（手前）と今後の生活を考える黒澤さん（３月２０日、横浜市で）＝画像は一部修整しています

　「この家にずっといるか、介護施設に入るか。一緒に考えられたらいいですね」

　３月下旬、横浜市内の戸建て住宅。この借家に一人で住む女性（８７）に、行政書士の黒澤史津乃さん（５１）が優しく語りかけた。

　女性は認知症で、介護保険で「要介護３」の認定を受けている。一人息子が同居し、家計や女性の年金口座を管理していたが、１月末に病気で急死。ほかの親族とは疎遠で、女性は突然、一人になった。

　火葬や死後の手続きは、息子の友人である黒澤さんが女性に代わって済ませたが、今後、買い物や介護サービス利用料の支払い、預貯金の引き出し

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