夫を亡くした認知症の８０歳代女性　介護施設、社協、市のチームで支える…身寄りなき高齢者の支援　各地で模索

　頼れる身寄りがいないため生活に困る高齢者を、他人が家族のように支え続けるのは難しい。誰がどこまで担うのかも、あいまいだ。様々な場面に応じて役割分担を決め、地域ぐるみでサポートするなど、各地で模索が始まっている。（小沼聖実、石井千絵）

　４月上旬、愛知県豊田市の病院。腎臓内科の診察窓口で、車いすの女性（８６）に付き添っていたのは、入居先の特別養護老人ホーム「くらがいけ」の職員だ。

　同ホームは通常、受診には家族に同行してもらっているが、女性には頼れる家族がいない。糖尿病の治療のため、月に１度の通院は職員が車で送迎し、診察や採血などの検査にも立ち会う。

　女性が入所したのは昨年９月。認知症があり、市営住宅で夫の介護を受けて暮らしていたが、夫が亡くなったためだ。子どもはいるものの、市の職員が連絡しても協力は得られなかった。

　同ホームの求める身元保証人がいなくても、スムーズに入所できたのは、女性をチームで支える態勢を整えたからだ。

　入所契約に市職員が同席した。金銭面では、通帳や印鑑の管理を市社会福祉協議会が、日常的な支払

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