ｉＰＳ網膜シートを難病患者に移植する試験実施へ…住友ファーマが来年度、アメリカで

投稿日 2024年11月29日 15:00:00 （医療総合）

　製薬大手の住友ファーマ（大阪市）は２９日、人のｉＰＳ細胞（人工多能性幹細胞）から光を感じる網膜のシートを作り、目の難病「網膜色素変性症」の患者に移植する臨床試験を米国で開始すると発表した。視細胞を含むシートを国内で作製して米国に空輸し、２０２５年度に１例目の移植を目指す。

　網膜色素変性症は、暗いところでものが見えにくくなったり視野が狭くなったりする難病。徐々に視力が低下し、進行すると失明の恐れもある。光に反応して神経に情報を伝える「視細胞」が減少して発症する。国内には約３万人、米国では約８万人の患者がいると推定されている。

　国内では、神戸市立神戸アイセンター病院が２０年から、網膜シートを患者２人に移植する研究を実施。２年間の経過観察で、安全性やシートが生着したことを確認した。

　網膜シートの製造を担う住友ファーマは日米両国で実用化を検討。米国での手続きが先行し、今月、米食品医薬品局（ＦＤＡ）から臨床試験の

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