大腸がん手術から５年が過ぎ、ひと安心と思ったが、その２年後にまた

　大腸がんを始め多くのがんでは治療後、５年間経過を観察し、異常が見られなければ治ったとして定期的な検査を終え、患者さんはこれでひと安心となります。この間に再発や転移が見つかることが多いためです。しかし、長く患者さんとお付き合いをしていると、この後でもまた大腸がん見つかることがあります。安心していても、大腸内視鏡検査はやはり受けておいた方がいいと思います。そんな方の例です。

　Ｎさんは５５歳の時、勤務先の検診で受けた便潜血反応検査が陽性ということで、私のクリニックに来院しました。便通は毎日１、２回、下血のような症状はありません。大腸内視鏡検査を実施すると、Ｓ状結腸にひと目でそれとわかる約４0ミリの進行した大腸がんが見つかりました。「症状はなにもないのに、大腸がんだなんてショックです」と話していました。

　近くの総合病院の消化器外科を紹介し、 腹腔(ふくくう) 鏡で大腸を切除する手術を受け、９日間入院して元気に退院しましたが、抗がん剤治療も必要でした。Ｎさんはその後、外科の主治医の元を経過観察のため定期受診。腹部のＣＴスキャンや２年に１度の大腸内視鏡検査、腫瘍マーカーを含む血液検査です。検査結果にも排便にも問題

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