はやりの乳酸菌　取れば腸内環境は整う？　便通を良くするために実践したい三つのこと

　「腸内環境を整える」「腸内細菌を理想のバランスに」――。そんな言葉をよく耳にします。大腸内には１０００種類以上の細菌がすみつき、善玉、悪玉、どちらともつかない日和見菌もいて、「善玉菌を増やすには、乳酸菌の摂取を」とヨーグルトなどが勧められることも多いですね。それはそれでいいのですが、消化器を専門にする医師としては、「ちょっと待って」と言いたくなります。腸内環境とは何か？　実は、腸内細菌はその要素のひとつで、ほかにも大事なことがあるのです。

　５９歳の男性Ｒさんは、これまで腸の不調を感じたことがありませんでしたが、昨年から今年にかけて最高気温が１０度以下の寒い日が多くなると、腹部膨満感を感じ、便が硬くなりました。「初めての経験で不快なものですね」と言います。インターネットで調べると、「腸内環境を整えればおなかの不快感がとれる」という記事があり、お勧めの乳酸菌のサプリメントを飲み始めました。ところが１か月たっても変化なし。私のクリニックを受診されました。

　「どうして乳酸菌を取っても効かないのでしょうか」と問われました。便秘外来を設けているので、Ｒさんのようなサプリのほか、意識してヨーグルトを取っても改善せず、このような疑問を口

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