ジャーナリストで評論家の徳岡孝夫さん死去、９５歳…三島由紀夫から自決直前に手紙や檄文託される

　名文家で知られたジャーナリストで評論家の徳岡孝夫（とくおか・たかお）さんが１２日、老衰で死去した。９５歳だった。葬儀は近親者で行う。喪主は次男、良介氏。

徳岡孝夫さん(２０１０年１０月、横浜市で)

　大阪府生まれ。毎日新聞社に入社し、ベトナム戦争などを取材。作家の三島由紀夫と親交があり、１９７０年には東京・市ヶ谷の自衛隊市ヶ谷駐屯地に乱入した三島から自決する直前に、手紙や 檄文（げきぶん） を託された。

　１９８５年に毎日新聞社を退社。保守派の論客として活躍し、２００９年まで３０年にわたり、論壇誌「諸君！」の巻頭コラム「紳士と淑女」を匿名で執筆。幅広い分野を対象に辛口で批評した。

　１９８６年には、翻訳紹介の業績で菊池寛賞を受賞。９１年には「横浜・山手の出来事」で日本推理作家協会賞を、９７年に三島を描いた「五衰の人」で新潮学芸賞を受賞した。

続きを読む