虫歯の詰め物　スキャナーで撮影した画像を基に作る方法が保険適用に…粘土状材料を使った方法との違いは？

　虫歯の治療で削った部分を埋める詰め物の形を決めるには、歯型を取る必要があります。この型どりをカメラで撮影した歯の形から、コンピューターで立体画像に再現する方法が２０２４年６月、公的医療保険の適用になりました。従来の粘土状の素材を使う方法よりも短時間で済む利点があります。（米山粛彦）

　歯はエナメル質と呼ばれる、体の中で一番硬い組織に覆われています。ただし、酸には弱く、虫歯の原因となる菌は、糖を栄養分にして酸を出し、エナメル質を溶かします。こうして虫歯が進みます。

　虫歯の範囲や場所によって治療法が変わります。特に隣の歯と接するような場所で虫歯が大きく広がった場合、患部とその周囲を削り、詰め物を入れる治療を行うことがあります。虫歯がどれぐらい広がっているかを確認して、詰め物をはめ込む形に整えます。

　次に歯科医は歯型を取ります。従来は粘土状の材料を患者の歯に押し当てて型を作っていました。この型に石こうを流し込んで、詰め物の基になる歯の模型を作ります。上下の歯型をそれぞれとるのに、患者は３～５分間、口を開け続ける必要があります。材料が喉の奥に触れると、反射的に吐き出そうとする反応が起きる場合も

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