ブタの肝臓で肝不全治療、米英企業が「今夏までに」臨床試験へ…浄化した血液を患者に戻し効果や安全性確認

投稿日 2025年5月12日 15:00:00 （医療総合）

　【ワシントン＝中根圭一】米英の企業が遺伝子改変したブタの肝臓を使い、肝不全患者の血液を浄化する臨床試験を始めると発表した。米食品医薬品局（ＦＤＡ）は承認済みで、企業側は読売新聞の取材に「今夏までに行う」としている。動物の臓器を利用した新しい医療や、人に移植する「異種移植」の進展が期待されるという。

臨床試験のイメージ

　臨床試験は米バイオ企業「イージェネシス」と英医療機械メーカー「オルガノックス」がＦＤＡに申請し、４月上旬に承認を得た。

　臨床試験は最大２０人の患者を対象とする。人間の体で拒絶反応やウイルス感染が起きにくいよう遺伝子を改変したブタの肝臓を専用の装置に入れ、チューブで肝不全患者とつなぐ。患者の血液をブタの肝臓に流し、血液を浄化した後に患者の体に戻して、解毒などの代替効果や安全性を検証する。両社は提供された遺体を使った実験で、ブタの肝臓が数日間、人の肝臓の機能を補完することを確かめている。

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