山口仙二さんの国連演説、直筆の最終稿か…「ノーモア・ヒバクシャ」原爆の非人道性を世界に発信

　被爆者として初めて国連本部で演説した山口仙二さん（２０１３年に８２歳で死去）の直筆とみられる演説原稿が、長崎市の被爆者団体の事務所で発見された。被爆後に自殺を図ったとの記述を何度も書き直した痕跡などが残り、世界に原爆の非人道性を伝えたいとの思いが読み取れる。遺族は「多くの人の目に触れてほしい」と願っている。（勢島康士朗）

長崎市内で見つかった山口さんの国連演説の原稿

　山口さんは１４歳の時に爆心地から約１・１キロで被爆。重いやけどを負い、手術を繰り返して生き延びた。戦後は核兵器廃絶運動の先頭に立ち、１９８２年６月、第２回国連軍縮特別総会（ＳＳＤ２）では、ケロイドが生々しく残る自らの写真を掲げて「ノー・モア・ウォー、ノー・モア・ヒバクシャ（戦争をなくせ、被爆者を二度と出すな）」と演説。「ノーモア」は、核兵器廃絶を訴える被爆者運動のスローガンとなった。

　原稿は昨秋、被爆関連資料の保存・整理に取り組む長崎総合科学大の木永勝也客員研究員（６６）らの研究チームが、長崎原爆被災者協議会（被災協）の地下倉庫で見つけた。「ＳＳＤ２　原稿　１９８２．６」と記された封筒に、Ｂ５判

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