苦しみ６０年「人生返して」…新潟水俣病　胎児性患者女性「まだ終わってない」

投稿日 2025年5月31日 05:00:00 （医療総合）

　四大公害病の一つ、「新潟水俣病」の公式確認から３１日で６０年となる。手足のしびれなど症状に苦しむ患者はいまだ多く、行政の認定を受けられず、国や原因企業を相手取って損害賠償訴訟を続ける人もいる。「新潟水俣病はまだ終わっていない」。関係者はそう口をそろえる。（新潟支局　家田晃成、写真も）

筆談で新潟水俣病との半生を振り返る古山さん（１９日、新潟市中央区で）

　「私の人生を返してください」。新潟市の古山知恵子さん（６０）は今月１９日、同市内で取材に応じ、震える手で悲痛な思いを紙に記した。母親の胎盤を通してメチル水銀を摂取して新潟水俣病になった「胎児性水俣病」患者。生まれつき手足が不自由で、思うように話すこともできない。

　１９６５年３月、漁師の家に長女として生まれた。生後１１か月が過ぎても首が据わらず、声もほとんど出ない。病院で脳性まひと診断されたが、５歳の誕生日を前に水俣病の認定を受けた。原因は、母親が丈夫な子を産もうと妊娠

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