［医療ルネサンス］増える高齢者の緊急搬送＜５＞転院搬送に民間救急車

ストレッチャーのまま搬送者を乗せることができる民間救急車。紺色の塗装が特徴だ（２月、北九州市で）

　増え続ける救急車の出動件数のうち、１割弱は病院や高齢者施設での転院搬送が占めている。この中で緊急性が低いケースでは、民間救急車を活用しようという動きが広がっている。

　今冬、福岡県内の病院でストレッチャーに横たわった８０歳代の男性が、民間救急車に運び込まれた。呼吸器疾患の治療を受けるため隣県の病院に転院することになったのだ。

　鼻につけたチューブで酸素を吸入しており、喉に開けた穴からの定期的なたんの吸引が欠かせない。道のりは３時間かかる。

　「介護タクシーでの搬送は難しい。民間救急車にお願いしたい」。男性の担当医から依頼を受けたのは、救急救命士の派遣業などを手がける「フィルタス」（名古屋市）の北九州市にある営業所だった。２台の救急車を持ち、救急救命士

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