旅慣れたビジネスマンはサングラスを使う？…時差ボケを考える

　こんにちは。精神科医で睡眠専門医の三島和夫です。睡眠と健康に関する皆さんからのご質問に科学的見地からビシバシお答えします。お盆休みを利用して海外旅行に出かける方も多いと思います。楽しい旅行に水を差すのが“時差ボケ”です。何か効果的な対処法はあるのでしょうか？

　不眠や眠気、けんたい感、頭重感や頭痛、食欲低下などがよく見られる時差ボケ症状です。時差の大きさや年齢、体質などによって症状の程度も種類もさまざまですが、せいぜい１週間程度の短い滞在期間中に海外の風景や食事を満喫しようと思っている旅行者にとって、時差ボケは悩みの種です。

　時差ボケの原因は複雑ですが、出発時の体調、飛行機内の環境、そして生体リズムの調節異常が主な原因と言われています。順に解説します。

　ワクワク、ドキドキ、楽しいはずの往路の飛行機内で早くも体調を崩す人がいます。その原因は出発前の疲労や睡眠不足、そして機内環境です。

　機内は０．７～０．８気圧に維持され、酸素濃度も地上より約２０％低くなり、人によってはこれが不調の原因になります。旅行の準備などで睡眠不足や疲労がある

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