川が氾濫し、住民が病院に避難　通常診療を続けながら避難者を受け入れられた理由…病棟には看取りが近い患者も

　自然災害が相次いで発生しています。台風による大雨で近くの川が氾濫し、住民の方が私の勤務先の病院に避難してきたことがあります。通常診療を続けながら対応しましたが、その際、機能したのが病院スタッフで構成する防災委員でした。

▶【漫画】避難所と化した病棟

　院長は、訪問診療をしている患者さんや家族に、事前に危険な状況になったら病院に避難してきてかまわないと話していました。川が氾濫する危険性が高くなり、暗くなる前から病院に逃げてきた方もいました。最終的には１０人ほどが避難してきました。私たちはリハビリルームを開放し、布団を用意しました。

　その日、私は通常の夜勤業務を行っていました。リハビリルームはナースステーションの隣にあったので、何かあれば手伝いに行くつもりでした。避難をしてきたのは訪問診療をしている患者さんなので、基本的には介護が必要な人たちです。しかし、家族が同伴していたり、特別なケアが必要だったりする人はいなかったため、手伝いに呼ばれることはありませんでした。

　もともと病棟には、 看取(みと) りの日が近づいてきている患者さんもいました。防災委員の

続きを読む