パラリンピックの車いすテニスで２個目の金メダルを狙う上地結衣選手…生まれつきの「潜在性二分脊椎症」とは？

　パリパラリンピックの車いすテニス女子ダブルスで金メダルを獲得した上地結衣選手は、「潜在性二分脊椎症」を抱えながら、１１歳で競技を始めました。先天性の病気で、年間５００人ほどの赤ちゃんが生まれているとされています。この病気について、埼玉医科大学病院脳神経外科教授の小林正人さんに聞きました。上地選手は６日、シングルスの決勝戦にも出場、２個目の金メダルを狙います。（聞き手・道丸摩耶）

　 ――どのような病気ですか。

　脳から腰の辺りにかけて延びている神経の束「脊髄」は、背骨（脊椎）で覆われています。二分脊椎症は、胎児の段階で、背骨やその部分の皮膚がうまく作られない病気です。神経組織が皮膚の外に露出している「顕在性（開放性）」、正常な皮膚に覆われて外からは分かりにくい「潜在性」など二分脊椎症の程度によって分類されます。

　 ――原因は何でしょうか。

　はっきりとした原因は分かっていません。妊娠初期に葉酸のサプリメントを摂取するとリスクは下がるとされ、厚生労働省も妊娠を考える女性に摂取を勧めています。適齢期の女性に飲むよう勧める国もあります。

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