［医療ルネサンス］大腸がん＜３＞ＡＩ活用　腫瘍検出率１・４倍

投稿日 2024年11月20日 05:00:00 （医療総合）

　初期では自覚症状がない大腸がん。がん化する前のポリープや腫瘍を速やかに見つけて切除できるよう、複数の医療機関や企業が人工知能（ＡＩ）を活用した内視鏡の開発を進め、医療現場でも使用されるようになってきた。

　神奈川県の男性会社員（５７）は昨年１２月、便に血液が混ざっていないかを調べる大腸がん検診の便潜血検査で陽性となり、自宅近くの昭和大学横浜市北部病院で精密検査を受けた。検査には、同病院や名古屋大などが共同開発したＡＩ搭載の大腸内視鏡が使われた。この内視鏡を挿入して腸内の状態を１０分ほどかけて確認する。

　内視鏡のカメラが映し出す画像をＡＩが即時に解析して病変の候補を検知し、色付きの枠で該当部分を示したり、警報音を鳴らしたりして医師に知らせる。男性の腸内では、内側にへこむタイプの「 陥凹（かんおう） 型」の腫瘍が見つかった。隆起しているポリープとは異なり、見つけるのが難しいとされる。

　男性は検査に続いてリ

続きを読む